一般内科とは
体の調子が悪いものの、どの病院を受診したらいいかわからない…。そんな時に地域のかかりつけ医として最初に相談できるのが一般内科です。
風邪や急な発熱、咳、腹痛といった日常的な症状から原因のはっきりしない体調不良まで幅広く初期診療。加えて、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病に対する継続的な治療と管理も一般内科の重要な役割となっています。
丁寧な問診と診察を通して重篤な疾患の可能性を探り、必要に応じて専門の医療機関や診療科へ適切に繋ぐ「総合案内窓口」。皆様の健康のためにどんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。
このような症状があったら
ご相談ください
- 咳
- 喉の痛み
- 発熱
- 頭痛
- 腹痛
- めまい
- 呼吸困難
- 関節痛
一般内科で診療する主な病気
風邪
主にウイルスの感染によって引き起こされる風邪。咳・鼻水・喉の痛み・発熱といった症状があり、身近な病気として思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
治療の基本は、十分な休養と栄養摂取による自己の免疫力でウイルスを排除すること。必要に応じて服薬による対症療法で症状を和らげます。
ほとんどの場合、数日で回復に向かいますが、症状が長引いたり悪化したりする場合は単なる風邪ではない可能性も考慮すべきです。気管支炎や肺炎などの合併症も考えられるため、軽視せずにご相談ください。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスの感染により、38℃以上の急な高熱、強い悪寒、全身の倦怠感や関節痛といった症状が突然現れるのが特徴。通常の風邪に比べ感染力が非常に強く、高齢者や基礎疾患をお持ちの方は重症化のリスクも高いことから、他者への感染拡大を防ぐ配慮も求められます。
最も有効な予防策は流行前のワクチン接種。発症後48時間以内の抗ウイルス薬の投与が効果的なため、疑わしい症状があれば早期に医療機関を受診し、迅速な診断を受けることが重要です。
高血圧
高血圧は、血管の内壁にかかる圧力が慢性的に基準値を超えている状態のこと。日本人の約3人に1人が罹患しているとされる現代の国民病のひとつです。
自覚症状がないまま静かに進行するため、長く放置されているケースが少なくありません。その結果、血管が弾力性を失って硬くなる動脈硬化を招き、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病といった命に関わる重大な疾患のリスク高くなってしまいます。
高血圧の治療で大切なのは、適切な血圧管理を通じて深刻な合併症を予防すること。生活習慣の改善を土台としながら必要に応じて降圧薬を用い、健やかな生活を守ります。
糖尿病
食事で摂取した糖をエネルギーとして利用するインスリンというホルモンが、不足したり効き目が悪くなったりすることで血糖値が慢性的に高くなる病気。高血糖の状態は全身の細い血管を中心にダメージを与え、網膜症による失明、腎症による人工透析、神経障害による足の壊疽など、特有の合併症を引き起こすことが知られています。
生涯にわたる血糖コントロールが、これらの合併症を防ぎ、健康な生活を維持するための鍵となります。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中に含まれる脂質の量が基準値から外れた状態のこと。悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が過剰、もしくは善玉(HDL)コレステロールが少なくなっています。
高血圧や糖尿病と同じく自覚症状がないまま進行し、余分な脂質が血管壁に蓄積して動脈硬化を促進。血管の内腔が狭くなることで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが著しく上昇します。
食生活の見直しや運動習慣が治療の基本。それでも改善しない場合に薬物療法が検討されます。
生活習慣病
生活習慣病とは、日々の食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスといった生活習慣の積み重ねが発症や進行に深く関わる疾患群の総称。先述した高血圧、糖尿病、脂質異常症は生活習慣病の代表的なものと言えます。
これらは個別の病気でありながら互いに合併しやすく、動脈硬化という共通の病態を加速させます。一般内科では、これらの疾患を包括的に捉えて生活全体を見直すことで根本的な原因にアプローチし、重篤な病気への進展を防いでいきます。
予防接種
当院では「高齢者インフルエンザ」及び「高齢者肺炎球菌」の予防接種を実施しています。
高齢者インフルエンザ
例年12~4月頃に流行し、1月末~3月上旬にピークを迎えるインフルエンザ。高齢者にとってインフルエンザは、肺炎を併発したり、心臓病・呼吸器疾患といった持病の悪化を招いたりと、非常に重篤化リスクの高い感染症となっています。
その最も有効な防御策が毎年の予防接種。ワクチンの最大の目的は、万が一、感染した場合でも入院や重症化に至る危険性を大幅に低減させる点にあります。
高齢者インフルエンザの予防接種は、佐賀市でも65歳以上の方などを対象にした定期接種として例年10月頃から開始。本格的な流行期に備え、早めに接種を済ませておくことが寒く乾燥した冬を健やかに過ごすための重要な鍵となります。
高齢者肺炎球菌
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌の飛沫感染によって発症する病気のこと。成人が日常でかかる肺炎のうち、最も主要な原因菌とされるのが肺炎球菌です。
そんな肺炎球菌への抵抗力を高めるのが高齢者肺炎球菌感染症予防接種。ワクチンをあらかじめ接種しておくことで、肺炎球菌が引き起こす重い肺炎や敗血症といった命に関わる病気にかかるリスクを低減させ、もし発症した場合でも重症化を防ぐ効果が期待できます。
なお、インフルエンザワクチンと異なり、肺炎球菌ワクチンが公費助成の対象となる定期接種の機会は原則として生涯に一度。対象となる年度が決まっているため、ご自身の該当年齢を確認して接種を検討することが大切です。