健康診断で異常があった方へ

みぞおち周辺に生じる胃痛は多くの方が経験するありふれた症状のひとつ。
しかし、胃潰瘍・逆流性食道炎・胃がんといった看過できない病気が隠れている可能性も否定できません。
その痛みが何に由来するのかを正確に突き止めるため、胃カメラをはじめとした検査で消化管の状態を直接観察することが的確な診断への第一歩となります。

胃から食道へ強力な胃酸が逆流し、胸の奥が熱くなるような不快感や痛みを生じる胸やけ。
もしかすると、逆流性食道炎や食道がんといった重篤な疾患が隠れている可能性も否定できません。
自己判断をするのではなく、胃カメラ検査で粘膜の状態を直接確認し、根本にある原因を特定することが重要です。

胃もたれとは、食事の後に胃が重く感じたり、いつまでも食べ物が胃に停滞しているように感じたりする不快な症状。脂質の多い食事が原因ということが一般的ですが、胃の運動機能低下や胃炎・胃潰瘍という疾患が隠れている可能性も考えられます。
原因に心当たりのない不快感が常態化している場合は、一度消化器内科でその根本原因を調べることが肝要です。

排便時に血液が混じる血便は、その色が出血源を推測する重要な手がかりです。鮮やかな赤色であれば大腸や肛門など比較的出口に近い箇所の出血。一方で、黒く粘り気のあるタール状の便は胃や十二指腸での出血であることを示唆します。
血便は見えない体内からのSOSのサイン。胃がんや大腸がんなどの重篤な疾患が潜んでいる可能性を否定できません。出血の原因を正確に突き止めるため、早期の内視鏡検査（胃カメラ・大腸カメラ）が不可欠です。

便秘とは、排便が滞って体外への排出が困難になっている状態のこと。排便の頻度には個人差がありますが、明らかに普段よりも排便ペースが変わり、苦痛を伴う場合は便秘と考えられます。毎日排便があっても少量の排便しかなく残便感があれば便秘です。
原因は多岐にわたりますが、主なものは食生活の乱れ、運動不足、水分不足、ストレス、そして腸の病気。便の通過を物理的に妨げる大腸がんなどの可能性があります。
大腸カメラで精密な検査を行い、原因に応じた根本的な治療や生活指導を受けることがつらい症状からの解放に繋がります。

下痢とは、大腸における水分吸収のバランスが崩れ、便が固形を保てなくなった状態のこと。その原因は一過性のウイルス感染や食あたりといった身近なものから、大腸がん、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など専門的な治療を要する慢性疾患まで多岐にわたります。
下痢の症状が続くのは、消化管が発している重要なサインかもしれません。当院では、大腸カメラを通じて、的確な診断に基づいた治療をご提案しています。

一言で腹痛といっても、その原因はさまざま。腹部には胃腸や肝臓、膵臓など多くの臓器が密集しており、日常的な消化不良から食中毒、さらには胃潰瘍・十二指腸潰瘍、虫垂炎、腸閉塞といった緊急性の高い病気の可能性もあります。
痛みの場所・強さ・性質、さらには発熱や吐き気の有無などで原因を予測し、必要であれば胃カメラ・大腸カメラ、腹部エコーで正確に特定することが大切。我慢できないほどの強い痛みや長く続く不調は決して軽視せず、内視鏡検査、腹部エコーで早期発見・早期治療を行いましょう。

食欲不振、体重減少はいずれも重要な危険信号です。その原因のひとつが消化器疾患。胃腸の不快感や痛みで食事が摂れないだけでなく、食べた物の栄養をうまく消化・吸収できない、身体が栄養を消耗する胃がん・大腸がんが隠れている可能性も考えられます。
これらの症状が続く場合は、エコー検査、胃カメラ、大腸カメラを含めた精密検査を受けることが肝要です。